私、数年前から歌舞伎にはまっています。きっかけは飛行機でシネマ歌舞伎を見たことで、確か勘三郎さんが亡くなった翌年、2014年あたりだったのではないかと思います。
私はアメリカに住んでいますので、歌舞伎の舞台を見る機会はめったにありません。DVD版も出ていますが、アメリカの家庭にはディスクを再生する機械がありません。そんな中、今月2020年4月は、オフィシャルな歌舞伎をふんだんにオンラインで見られるという幸せな月間でした。コロナ禍による公演中止に伴う臨時オンライン配信のおかげです。
私が見られるかぎりの以下のもの、本日すべて鑑賞完了しました。
国立劇場:「義経千本桜」
スーパー歌舞伎:「新版オグリ」(猿之助版・隼人版)
超歌舞伎:過去4本すべて
歌舞伎座:「雛祭り・新薄雪物語・梶原平三誉石切・高坏・沼津」
(ニコニコ動画のスーパー歌舞伎「ワンピース」配信は海外ではブロックされていました)
普段は、そういうわけで歌舞伎を見られるのは、基本的には日本に出張に行くときだけです。仕事の合間に時間ができたらその日に行くというパターンなので、何を見たいと狙っていくことはできず、また「いつでもやっている歌舞伎座」の、いちばん遠い席で「一幕見」しかできないというのが普通でした。ドラマは日本語チャンネルで見られるので、ときどき歌舞伎俳優さんが出ているとその方の歌舞伎が見たいと思うのですが、そういう狙い撃ちはなかなかできません。
歌舞伎でなくても、ライブの舞台やコンサートというのは、たいへん時間贅沢なイベントです。子供が生まれた後、たとえ苦労して預け先を確保してチケットを買っても、その日に子供が熱を出せば一巻の終わりですので、そのような時間の制約の多い贅沢はしなくなってしまいました。
ですので、オンライン配信は本当に本当にありがたかったです。このご決断をいただいた関係者の皆様に深く感謝します。
本来ならばオリンピックで外国人の観客に見てもらいたかったであろう歌舞伎、実はオリンピック関連のイベントであれこれやるよりも、オンライン配信のほうが、おそらくは外国人へのマーケティングとしてははるかに有効と思います。劇場ではすでに英語解説対応はできているので、英語対応はコンテンツとしてはそれほど大変ではないように思います。
どうか、今回だけで終わらず、継続的にオンラインで合法的に歌舞伎が見られるようになってほしいと思います。有料で全くOK。私としてはNetflixでやっていただけると嬉しいですが、個別課金でも喜んでお支払いします。わがサンフランシスコのジャパンソサエティで日本語を勉強しているアメリカ人の皆様にも、ぜひお見せしたいものです。
どうか、オンライン継続ご検討のほど、乞願い奉りまする