歌舞伎

【素人歌舞伎を語る3】オンライン歌舞伎の「新しい伝統」

そういうわけで歌舞伎大好きなのに、日本で歌舞伎座にも行けず、オンライン配信は日本の携帯電話番号で認証する仕組みなので海外からは見られず、頭にきてやけくそで、ジャパン・ソサエティで「オンライン歌舞伎ワークショップ」を企画し、本日無事に実施できました。

オンラインですから、どこからでも参加でき、日米だけでなくなんと南米や欧州からまで参加者が集まり、300人以上が参加してくださいました。

成駒屋の中村橋吾さんにご出演を願い、前半はアメリカン歌舞伎オタクのマークさんと、カリフォルニア州立大SF校で演劇を教える後藤先生が「歌舞伎とは?」の英語の解説。後半は橋吾さんの実演と質疑応答でした。

橋吾さんの熱演と、丁寧に質問にお答えくださる姿は素晴らしかったのですが、私はチャット欄に流れる英語の質問をピックアップして日本語に翻訳する係だったので、しっかり見ている暇がなかったのは残念でした。しかしこの、私が睨み続けていたチャット欄が、実はやたら面白かったのです。

最初は自己紹介と、その後はやや動きはスローだったのですが、だんだんペースが上がってくると、「素晴らしい」とかのコメントに交じって、日本人らしき歌舞伎知識のある方が「まってました!」「Narikomaya!」と「テキスト大向こう」をかけるとみんなが真似したり、ちょっとした質問に英語でお答えくださったり、節目節目で「88888(パチパチパチ)」の弾幕が張られたり・・・

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あれ?なんかこの盛り上がり方、既視感・・?

あー、そうそう、「超歌舞伎」のコメ欄ですわ。ニコ動だと、画面の上にコメントの弾幕がオーバーレイされますが、今年8月の超歌舞伎は私はYouTubeで見ていたので、オーバーレイがなく画面右のコメント欄に「電話屋!」とか桜の花吹雪とかが流れました。位置関係的にも全く同じです。

もしかして、今日ご参加の皆さんは、けっこう超歌舞伎見てたのかな?とも思いつつ、そうでなくても、超歌舞伎のこうしたコメ欄のお作法も自然発生的なものでした。

これは、もしかしたら歌舞伎の新しいオンライン視聴の伝統ができ、世界に広まりつつある!?と思ってとてもワクワクいたしました。

本日、イベントにご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました!

<ご参考>

橋吾さんの関連リンクと、英語で歌舞伎を学べるサイト

How to follow Hashigo

本日公開歌舞伎ましょうに橋吾さん登場!

Hashigo Dan - Fan Site (Japanese only)

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【素人、歌舞伎を語る1】オンライン歌舞伎月間、全部見ました!

私、数年前から歌舞伎にはまっています。きっかけは飛行機でシネマ歌舞伎を見たことで、確か勘三郎さんが亡くなった翌年、2014年あたりだったのではないかと思います。

私はアメリカに住んでいますので、歌舞伎の舞台を見る機会はめったにありません。DVD版も出ていますが、アメリカの家庭にはディスクを再生する機械がありません。そんな中、今月2020年4月は、オフィシャルな歌舞伎をふんだんにオンラインで見られるという幸せな月間でした。コロナ禍による公演中止に伴う臨時オンライン配信のおかげです。

私が見られるかぎりの以下のもの、本日すべて鑑賞完了しました。

  • 国立劇場:「義経千本桜」

  • スーパー歌舞伎:「新版オグリ」(猿之助版・隼人版)

  • 超歌舞伎:過去4本すべて

  • 歌舞伎座:「雛祭り・新薄雪物語・梶原平三誉石切・高坏・沼津」

    (ニコニコ動画のスーパー歌舞伎「ワンピース」配信は海外ではブロックされていました)

普段は、そういうわけで歌舞伎を見られるのは、基本的には日本に出張に行くときだけです。仕事の合間に時間ができたらその日に行くというパターンなので、何を見たいと狙っていくことはできず、また「いつでもやっている歌舞伎座」の、いちばん遠い席で「一幕見」しかできないというのが普通でした。ドラマは日本語チャンネルで見られるので、ときどき歌舞伎俳優さんが出ているとその方の歌舞伎が見たいと思うのですが、そういう狙い撃ちはなかなかできません。

歌舞伎でなくても、ライブの舞台やコンサートというのは、たいへん時間贅沢なイベントです。子供が生まれた後、たとえ苦労して預け先を確保してチケットを買っても、その日に子供が熱を出せば一巻の終わりですので、そのような時間の制約の多い贅沢はしなくなってしまいました。

ですので、オンライン配信は本当に本当にありがたかったです。このご決断をいただいた関係者の皆様に深く感謝します。

本来ならばオリンピックで外国人の観客に見てもらいたかったであろう歌舞伎、実はオリンピック関連のイベントであれこれやるよりも、オンライン配信のほうが、おそらくは外国人へのマーケティングとしてははるかに有効と思います。劇場ではすでに英語解説対応はできているので、英語対応はコンテンツとしてはそれほど大変ではないように思います。

どうか、今回だけで終わらず、継続的にオンラインで合法的に歌舞伎が見られるようになってほしいと思います。有料で全くOK。私としてはNetflixでやっていただけると嬉しいですが、個別課金でも喜んでお支払いします。わがサンフランシスコのジャパンソサエティで日本語を勉強しているアメリカ人の皆様にも、ぜひお見せしたいものです。

どうか、オンライン継続ご検討のほど、乞願い奉りまする