【ベイエリアの歴史38】サンノゼ州立大学のYoshihiro Uchida Hall

さて、久しぶりにベイエリアの歴史シリーズです。他のエントリーに合わせて、少々体裁を変更しました。

今日は息子のロボティクス試合の応援に、サンノゼ州立大学(SJSU)にいってきました。この大学はサンノゼ市街地のどまんなかにあり、カリフォルニア州立大(CSU=California State Universityシステム、UC=University of Californiaシステムとは違う)のひとつで、アップル、グーグル、インテルなど、地元の大企業への最大のソフトウェア・エンジニア供給大学として知られています。

この大学のもう一つの特徴は「ダイバーシティ」をとても重視していることで、現在も人種・民族がとても平等に混ざっているのですが、歴史的にも、かつて差別されていた日系アメリカ人に早くから門戸を開いていたようです。先日、サンノゼ日本町での地元コミュニティの方々とのミーティングのとき、SJSU出身者がとても多かったのが印象に残っています。

今日、試合の合間にキャンパスを歩いていたら、「Yoshihiro Uchida Hall」という名前の建物を見つけました。調べてみると、Uchida先生は、ご自身もSJSU出身で、1940年代からSJSUで柔道を教え、戦後アメリカで柔道を広め国際的なスポーツへと発展させた大きな功績のある方だそうです。体重別等級の仕組みを提唱し、1964年、柔道が初めて登場した東京オリンピックでは、アメリカ代表チームの監督も勤めました。彼のおかげで、アメリカ国内でSJSUはその後も無敵を誇っているそうです。現在は90歳を超えていらっしゃいますが、引き続き柔道の指導を続けられています。

Uchida先生が始めた道場のある建物がYoshihiro Uchida Hallというわけですが、当初は皮肉なことに、戦時中日系人収容所へ日系人を送り込むための書類を処理する事務所が置かれていた建物だったそうです。(Uchida先生ご自身は軍人として従軍、家族が収容所に送られました。)この建物は2014年に建て替えられ、大きなスポーツ・コンプレックスの一部になっています。

サンノゼ日系祭りのとき、「剣道のてんぷらの隣は柔道のうどん」ということで、私は前回のお祭りでは、剣道てんぷら屋で揚げ玉がたまると隣の柔道うどん屋に運びこむ係をやっていたのですが、侮ってはいけなかったようです。いや、別に侮っていませんが・・・(^^ゞ

(写真は、SJSUキャンパスに立つYoshihiro Uchida先生)